毎年11月23日

御会式とは、宗祖日蓮聖人の御命日(10月13日)に行われる報恩法要のことです。
日蓮聖人は、病気療養のため身延山(山梨県身延町)から常陸(ひたち)の国(現在の茨城県)の温泉へ向かわれますが、
途中、現在の東京の池上の地に於いて61歳で御入滅されました。

日蓮宗の寺院では、この日を中心に御会式が行われますが、当山は月遅れ(旧暦)で行っており、
御会式といえば東京の池上本門寺がその規模と華やかさで有名で、
前日の御逮夜にあたる12日に各講中の方々の万灯(まんどう)行列と
数十万人の参拝者でにぎわい、昔より江戸の風物詩としても名高いです。

御命日なのに、なぜ御宝前に色つきのお持ちがお供えしてあるのかと、不思議に思う方もあるかもしれません。
いつ頃からこのようにお祀りするようになったのか定かではありませんが、
「お祖っ様(おそっさま。日蓮聖人に対して親しみをこめた呼び方)はいきだねぇ。
三度諫めて用いらずば山林に籠もれり、ってんで最後には幕府に認められたが、それを断って身延山に入られたんだ」
という具合に、
江戸のいわゆる「熊さん」「八さん」のような町人達(江戸っ子)に、
日蓮聖人の生き様が支持を受け、御会式が江戸っ子の晴れの日となり、
お祭りのように盛大に行われるようになったのが由来であると推測されます。

日蓮聖人が御入滅のとき、
季節はずれの桜の花が咲いたそうです。
その故事に習って御会式のときは、
堂内に桜の造花を飾ります。